鉄筋継手の選考、使用確認等について
一般社団法人 鉄筋溶接継手協会
平成12年5月、ガス圧接、溶接継手、機械式継手が一般継手となった建設省告示1463号
当初、溶接継手と機械式継手は特殊な継手として扱われており、日本建築センターが発行していた「評価書(現在の評定書)」が選考材料の一つとして使われておりました。溶接継手、機械式継手の施工実績が全国的に多くなったことで国土交通省(旧建設省)は平成12年5月に1463号告示(鉄筋継手の構造に関する件)を発行、ガス圧接継手、溶接継手、機械式継手に対するルールが制定され、ガス圧接継手同様に一般的な継手として利用できるようになりました。日本圧接協会は現在の「日本鉄筋継手協会」として名称変更され、ガス圧接継手、溶接継手、機械式継手を扱いはじめました。
A級継手について
1463号告示以降、評価書(又は評定書等)は信用の一部として扱われるようになり、これが無くても現場施工が可能になりましたが「溶接継手はA級継手」として扱われることが多く、今でもなお評価書(評定書等)が判断材料として使われています。
そもそも、A級継手に関しては「2015年版 建築物の構造関係技術基準解説書」に性能評価基準が設けられており、現場側である建築主事等の性能確認が必要となります。その性能確認として利用されているのが第3者機関による任意の評価書(評定書等)で現場で行う性能確認試験(技量試験)が使われています。2015年版建築物の構造関係技術基準解説書にはA級継手の使用可否基準が明記されておりますが一般的な構造での解説しか記載されておらず、昨今の建築物の様々な構造については判断しきれない場面も出てきております。そのような場合当協会としましてフォローをさせていただいております。
評価書(評定書等)の法的効力について
現在、評価書(評定書等)の法的効力を有する機関はありません。日本建築センター、日本鉄筋継手協会、鉄筋溶接継手協会、他団体が発行している任意の評価書(評定書)は前文でも記載しているように建築主事等の性能確認の1つとして利用されています。
それぞれの評価書(評定書等)の選考方法も様々ですが、当協会としては工法認定を採用しております。これにより、溶接技能者が技術習得して免許を取得すれば溶接継手の現場施工が可能になりました。なぜ機関により評価書(評定書等)の選考方法が様々なのか、理由はそれぞれの機関が独自でルールを作っているからと言われています。
A級継手といえどこでも全数(イモ)継手が使えるのか?
2015年版 建築物の構造関係技術基準解説書に明記されているとおり、どこでも全数(イモ継手)が出来るわけではありません。現場施工される前に継手位置、全数(イモ)継手の使用可否の確認は必ず行なってから現場施工をお願いします。
Point!
- 鉄筋継手の基本ルール 国土交通省(旧建設省)平成12年5月告示第1463号
- A級継手の場合の性能確認 評価書(又は評定書、施工認定書等)
施工前性能確認試験(任意) - 継手位置確認 事前に構造図、構造計算書からの継手施工範囲確認